「ある女性歌手の黒人欲しい、の顛末」

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第39回講談社ノンフィクション賞が7月20日に発表されました。

本橋信宏著の「全裸監督 村西とおる伝」も候補6作品の中にノミネートされていましたが、惜しくも受賞を逸しました。

著者の本橋信宏氏とは約35年に及ぶ付き合いです。

かつて手前どもが発行していた写真誌「スクランブル」の編集長として、またはダイヤモンド映像につながるAV業界での仕事では広報担当として仕事を一緒にしてきた過去があります。

手前どもにとっては弟のような、いわば人生の伴走者といってもいい存在です。

その彼が渾身の思いで書き上げた「全裸監督 村西とおる伝」はピカレスクロマンのごとき趣きの快作に仕上がっています。

読み終えた時は、手前味噌を申し上げるようで恐縮ですが、よくぞこんな男が現代に生きているものだ、とその描写力に感嘆させられたものでございます。

本作は35年前の出会った頃に遡り、手前どもはとっくの昔に忘れていたことまでアレコレと克明に記述されています。

忘れてしまっていた出来事に久しぶりに触れて、懐かしさのあまり柄にもなく目頭を熱くしたものです。

思い返せば、まさしく恥しきことのみ大かりき、山あり谷ありの人生でございましたが、願わくばこの度の講談社のノンフィクション賞はぜひともとっていただきたかった、と残念でなりません。

このところAV業界は「AV出演強要問題」が社会問題として取り上げられ、ダークな世界との印象を社会に与えています。

AV女優さまに限らず、AV男優や業界に従事する人たちはいわれなき偏見や差別によって肩身の狭い日々を余儀なくされているのです。

そうした肩身の狭い思いをしているAV関係者にとって、自分たちと同じ業界人と業界を描いた本作が受賞することは、一条の光明となるものと、心秘かに受賞を期待していたのです。

もし受賞していたら「みんな頑張っていこうよ」とのエールを送ることができたのではないか、とかえすがえすも残念でなりません。

賞と言えば賞罰の罰の方しか縁のなかった手前どもでございます。

賞という晴れがましいお裾分けに接する千載一遇のチャンスでしたのに、と惜しまれるのでございます。

特に本作をプロデュースしていただいた太田出版のご担当の穂原さまには、せっかくのチャンスをいただいたのに、素材の力不足で申し訳ない結果となったことをお詫び申し上げなければなりません。

落選の報を受けて、穂原さまから「本橋さんから”選者への現ナマ攻勢が足りなかったせいで落選したんじゃないか”、と監督が言っているとのお話を聞いて、待機していたスタッフ一同大爆笑しました」との心温まるメールを賜ったことは、なによりの慰めでした。

これで全て終わったわけではありません。

本橋氏には更なる精進を重ねて、捲土重来を期していただきたく希望します。

穂原さまはじめ太田出版の皆さま、応援してくださいました読者の皆さまに、この場をお借りして改めて心よりお礼申し上げます。

本作は700ページ超、2400円という、活字離れが叫ばれている昨今では向こうみずといっていい大作となっています。

これは穂原さまの「活字の請負人」としての、時代と読者への挑戦状でございます。

編集者の意地と矜持なくしては、この世に誕生することのなかった、この「秀作」を皆さまも是非一度お手に取られて、読書文化を担う戦士たちの「一歩も退かぬ」戦いに触れていただきたく存じます。

賞を逸したとはいえ、栄誉ある「講談社ノンフィクション賞」にノミネートをされたことは名誉なことでした。

文学者や社会的著名人や時の人を追ったノンフィクション作品がもてはやされる中で、一人のエロ事師の人生を負った本作がノミネートされたことは特筆に値します。

ともすれば人生の落伍者、反社会的存在の集まり、と見下されがちなエロ事師の職業ではございますが、こうした文学賞の受賞作にノミネートされたことは何よりでした。

賞は逸したとはいえ、AVが現代社会に与えた影響は、数多の文学作品や絵画、音楽、伝統芸能、その他の芸術作品を凌いで、最も大きなものがあると自負しています。

それは、AVは人間の存在の最大のテーマである「性と死」の「希望と絶望のエロティシズムのコントラスト」を描いて圧倒的であるからです。

人々は、その人間の最大のテーマである「エロティシズムとは何か」の命題を突きつけられて、打ち震えながら、その答えを紐解く刻を、ようやくして手にする時代を迎えています。

その突破口を担ったAVの存在の意義は、あらゆる芸術をこえて、燦然と輝いてそこにあるのです。

エロティシズムという難解で深淵なテーマに真摯に向き合った本作が、正当に評価される時代が必ずや来ることを信じて疑いません。

先日NHKで…

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