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先週の週末のことです。

夜、事務所から家に戻る途中、手袋を失くしました。駅を降りた時は手袋をしていた記憶があるのですが、家に帰って朝、出かけようとしたところ、手袋の姿がどこにも見当たらなかったのです。

この冬の厳しい寒さを防いできてくれた手袋です。ユニクロで事務所のスタッフが買ってきてくれた手袋ですが、おおいに助かっていました。

いつになく寒いこの冬を一緒に乗り切ってきた、いわば同志のような関係でした。

手袋を失くしたことはショックでした。折角スタッフが買ってきてくれた手袋を、という思いと、いつになく厳しい寒さから自分の手を守ってくれたことへの思い入れがあったからです。

手袋、というのは不思議なもので、一度愛着を持ってしまうと、その手袋でなくてはどうにもシックリこない感覚を持つものです。

失くした手袋に対する思いがそうでした。毛糸の手袋でしたが、自分のもう一枚の厚い皮膚のように感じられてとても気に入っていたのです。

朝、出がけにどこをさがしても見つからない、片方の手袋がとても心残りでなりませんでした。

買えばそれほどに高いものではないことは承知していましたが、この冬を一緒に過ごしてきた「相棒」であった手袋の行方不明がなんとも気になって仕方がなかったのです。

家から事務所に向かう道を歩いて、いつもの駅前の広場に歩いてきました。ふと見ると、目の前の道路にどこかで見たような手袋がひとつ、落ちています。

手前どもが昨晩、どこかで失くしてしまった手袋とそれは同じ模様でした。

黒地に白い縞が入ったデザインです。失くした手袋は黒でしたが、気のせいかそれは若干青みがかって見えました。

最初見た時は自分の大切な手袋が落ちている、と驚きました。

が、手袋は多くの靴に踏まれたせいなのでしょう、汚れていました。駅前には沢山の人が行き交っています。

大勢の人の目がある前で、この手袋を拾うことに抵抗がありました。

デザインは似てはいるものの、コッチの手袋の色の方が青くはないだろうか、との疑念を持ったのです。

もし思い違いであったら、、、との思いが頭を過りました。

手袋は鼻水などを平気で拭うこともあります。もし他人のものであったら、他人の細菌の塊を手にすることになる、との心配が先立ちました。

生来は気の小さい人間です。神経質なのでございます。

そうした考えが一瞬のうちに頭を駆け巡り、その場を手袋を拾わずに立ち去ったのです。

心の中では、もしあの手袋が自分のものであったならば、、、と恩多き手袋に許しを請いながら、です。”気にしい”なのでございます。

手袋を手にとってみて、実際に違ったなら駅のゴミ箱に捨てればいいだけのことですのに、そうした確認もできずに後ろ髪をひかれる思いで立ち去ったのでございます。

手袋をひとつ失くしただけで、心に葛藤のさざ波を起こす、小心者の日々を生きております。

先週はこんなこともありました…

この続きは「まぐまぐ!」でお読みください...
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