「上海の物乞いの老婆」

◆祥伝社新書「禁断の説得術 応酬話法」
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◆「実話ナックルズナイトVol.5」に出演いたします。
4月5日(木)
新宿御苑ROSSO
18時開場/19時開演
入場料:¥2700+1D
ご予約:https://form1ssl.fc2.com/form/?id=68c614edfdc73b0e

先週の火、水、木曜日の3日間、上海に行ってまいりました。

商談を兼ねてあるアイドル女性のPV、といっても大がかりなものではなく、プライベートショットを撮ってそれをこれからの彼女のプロモーションに使う目論見でございます。

スタッフも最小限での短い旅となりました。

上海に到着した火曜日は、取引き先との面談に終日費やしました。

PVの撮影は水曜日の朝からのスタートでした。最初のロケは浦東で行いました。

2016年にオープンした高さ632メートル、126階建ての、世界第2位の高さを誇る「上海タワー」に行ったのです。

下から見上げるタワーの頂上付近は折から小雨が降りしきっているせいで雲がかかって見ることができませんでしたが、その分幻想的な雰囲気を醸し出していました。

この上海タワーの近くには、上海タワーができるまでは上海一の高さを誇った、地上101階建て、高さ492メートルの上海ワールド・フィナンシャル・センターがあります。日本の森ビルが建てた高層ビルですが、その形が刀に似ていることから上海の人たちからは「日本刀ビル」と呼ばれています。

この森ビルの展望フロアには以前、のぼったことがありました。

その日は晴れていて見通しが良く、上海市街を見渡すパノラマを楽しむことができました。特に足元の床が強化ガラスとなっている廊下があり、その上を高所恐怖症の手前どもは震えながら四つん這いになって渡ったのです。

上海タワーでは入場料を180元、日本円で約3000円を払い、118階にある展望台に向かうエレベーターに乗り込みました。

エレベーターは世界で最も高いと言われるブルジュ・ハリファで使用されているものと同じ三菱電機製でした。秒速18メートル、世界最高速のエレベーターで僅か55秒で118階の展望フロアに到着したのです。

少しの揺れも感ずることなく、まったく音という音のしない静寂の中で、アッという間の時間でした。

さすが日本の三菱電機、と心の中で小さな拍手を送ったのです。

手前どもは恥しながら高所恐怖症でございます。高いところから下を見ると失禁さえしかねません。が、幸いなことに天気は小雨で、外の景色は曇っていて何も見えず、で同行のアイドルタレントさまに醜悪なところを見せずに済みました。

展望フロアは全面ガラス張りになっています。外は白く曇っていて摩天楼の幻想的な雰囲気を醸し出していました。

大きなスタジオに大金をかけて造ったごときエキゾチックな背景で、まるで数千万円を投じたような格好のPV撮影となったのでございます。

続いて向かったのは田子坊です。この場所にはこれまで何度か来ているお気に入りのスポットです。

戦前の古い長屋風の住居街に小さな飲食店や個性的なショップが立ち並んでいます。

中国で知られるある有名な芸術家が10年近く前、この場所にアトリエを開いたことから注目を浴びはじめ、現在では上海のSOHOとも呼ばれています。

迷路のような路地裏を歩くと、こんな場所にこんなユニークな店が、と驚くような出会いがあって時間が経つのも忘れるほどです。

中国扇子や上海現代アートの店、唐辛子専門店、サングラスや雑貨のお店などに立ち寄り、撮影をしました。

何の前触れもなくそれぞれのお店を訪ねてはカメラを回したのでしたが、驚いたことにどの店でも店員さんに嫌な顔をされずに快く迎え入れられました。

何も買わずに商品を手に取り、店内を見て回って質問をしただけで済ませても、笑顔で送り出してくれたのです。

彼らの愛想のいい笑顔は日本でも見ることのできないような素朴な親切さに溢れていました。

多くの外国人が訪れるようになって、かつて見られたように物を、ただ執拗に売りつけようとする精神が浄化されたようです。

通りのカフェの椅子に座ってお茶を飲もうとした時でした。若い男性の店員が…

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