「死の恐怖を克服する方法」

 

 

映画『M/村西とおる狂熱の日々』東京プレミア&トーク

※ 本作は、22年前、50億の借金を抱えて倒産した村西とおるが再起をかけて挑んだAV撮影のロケ現場の裏側を収録したドキュメンタリー作品です。

日程 10月12日(金)

時間 18:30開場 19:00開演

場所 なかのZERO 西館/小ホール(中野区中野2丁目9番7号)

 上映後トークショー :村西とおる×芥川賞作家・西村賢太

前売り¥3000- 当日¥3500- ※いずれも税込、全席自由

ご予約は http://l-tike.com/order/?gLcode=31608
※ローソンチケット Lコード:31608

皆さまにお会いできますことを楽しみにいたしております!

 

 

 

交差点で信号待ちをしていました。後ろから脇腹を誰かに突かれました。見るとマントを頭からかぶった小柄な熟女が手前どもを見上げています。

 

「そこのコンビニで弁当を買うお金を300円か500円でいいから頂戴よ」と手を出してきました。

 

よくこの手の人間に声をかけられます。

 

なにか格好のニオイを発しているのでありましょうか。交差点で信号待ちしているのは手前どもだけではありません。

 

10人近くの人間が待っています。なのにどうして自分だけがターゲットにされたのか、と聞いてみたい気がしました。

 

が、口から出た言葉は「物乞いしていると、お巡りさんに軽犯罪法違反で逮捕されるよ」でした。

 

するとマントをかぶった熟女は「そんなの私には関係ないんだよ」とキレて睨んできたのです。

 

せっかく親切に教えてあげたのだから、なにも睨まなくてもいいだろう、と思いましたが、マントの熟女はクルリと背中を見せて後ろに立っていた若いカップルに向かって行きました。

 

カップルは熟女マントの話を聞いて、顔を見合わせながら「駄目」と言うように掌を顔の前で横に振りました。

 

すると今度はそのカップルの後方にいた3人組の中年男性たちに向かって、手を差し出したのです。

 

営業マンであったなら、一度や二度の断りにもひるむことない、めげないその姿勢は見事なものです。

 

これほどの情熱があれば、なにも物乞いなどをしなくても、他の仕事をして立派に食べていけるのに、と惜しい気がしました。

 

最近は、こうした大都会東京の路上で、平気で物乞いをする人間が増えてきたような気がします。

 

手前どものツイッターのフォロワーの方から、同じように「弁当を買うからお金を頂戴」と寄ってきた物乞いに、持っていたサンドイッチとペットボトルの飲み物をあげようとしたら、「お金しかいらない」と断られたとのエピソードを寄せられました。

 

本当に困り果ててではなく、いい小遣い稼ぎのつもりで物乞いをしているのでした。

 

社会には人を騙すことで良心の呵責を覚えず、なんとも思わない人間がいます。それを職業としている詐欺師もいます。

 

SNSの発達した情報化社会では、そうした詐欺師が起こす事件が毎日のようにメディアで報じられています。

 

知人女性が危うくその詐欺に、先日ひっかかりそうになりました。

 

3日前のことです。知人女性の家へ「法務省管轄支局 国民訴訟お客様管理センター」なる送り主からハガキが届きました。

 

ハガキの文面には「アナタが契約を履行しないことで、損害賠償の訴えが当センターに来ています。ついては事情を聴きたいので至急連絡をしてほしい」というものでした。

 

よくある詐欺の手口です。電話をすれば「このままだと裁判となって大変なことになり、銀行口座や所有の不動産が差し押さえられてしまう、すぐに解決するいい方法があるから示談金を用意してください」と騙され、数百万円という多額の金を搾取されてしまうのでした。

 

そんな単純な詐欺によくも引っかかるものだと思われるかもしれませんが、市井でまじめに働き暮らしている人間にとっては「裁判で損害賠償を」と聞いただけで難病の宣告を受けたごときショックな出来事です。

 

慌てふためき思考停止状態となって、やすやすと詐欺師の言う通り、銀行の窓口で「リフォーム代金」に支払うからと銀行員に嘘をついて大金を引き出し、そのお金を振り込むこととなってしまうのです。

 

こうした被害に遭う人は、普段は誰ともコミュニケーションをとることのない、一人暮らしの老人に多いのですが、ハガキを受け取った知人女性は一人暮らしであっても老人ではありません。

 

が、ほとんど仕事場と家との行き帰りだけで過ごしている彼女もまた、「裁判と損害賠償」と聞いただけでビクついてしまう情報弱者でした。

 

狼狽えた彼女から電話を貰いました。これは詐欺だから心配することはないから安心するように、と伝えました。

 

40歳で独身の彼女は純粋で世間知らずのお嬢さんです。

 

「本当ですか、安心しました。これからどうしたらいいかわからなくなってしまって弁護士さんのところに電話をいれたんですけど、つながらなくって、、、」と涙声です。

 

こうした穢れのない心で穏やかな日々を生きている女性を傷つけるなんて許せない、と怒りがこみあげてきました。

 

ハガキの写真をメールで送ってもらい、「連絡先」と書いてある電話番号に電話をかけました。

 

発信音がするのですが、相手が電話に出る様子がありません。何万枚ものハガキをバラまいた甲斐あって、ほうぼうから問い合わせの電話がかかってきて忙しいのでしょう。

 

4度目にようやくつながり、若い男のモシモシと落ち着いた声が聞こえてきました。

 

本来ならば「ハガキを貰ったのですが、どういうことなのか説明してほしい」との質問からはじめて然るべきでしたが、頭に血がのぼっていて、そうした手順を踏む余裕がありませんでした。

 

いきなり「こんなインチキのハガキを送りつけてきて、どういうつもりなんだ、詐欺野郎!」と怒鳴り声をあげていました。

 

すると電話がプツリ、と切れてしまったのです。

 

再び電話をすると、相手は既に着信拒否をしている信号音に変わりました。

 

もう少し冷静に電話をして、相手を捕まえる方法がなかったかと後悔しましたが、そんなことをしていたら精神衛生上ロクなことにはならない、と忘れることにしたのです。

 

この出来事を…

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