「思い返せば幼き飢餓の日々」

【大阪/京都 会場&オンライン・DVD発売記念トークイベント】
12月5日(土)
■14時? 枚方蔦屋書店 会場&オンライン

ご予約は https://store.tsite.jp/hirakata/event/video/16496-1720381014.html

 
■19時? 京都岡崎蔦屋書店 会場のみ
 
【トークライブ/東京】
12月12日(土)
■17時30分? 浅草花劇場 片岡鶴太郎の「鶴やしき」 冬だ!師走だ!しわ坊主! ※ゲストで出演させていただきます。
 
 
 
 
 
 
 
 
歌舞伎の人間国宝として知られる坂田藤十郎さま(88)が逝かれました。まだお元気でご活躍かと存じておりましたのに「老衰」のための死去ということでございます。
 
歌舞伎の世界では頂点を極められた至芸の持ち主でございましたが、一般には女優・扇千景さまとの「できちゃった婚」の元祖として知られる好きモノでもございます。
 
藤十郎さまがその無類のスケベ心の持ち主である、と男を上げたのは、京都の芸妓とホテルで密会し、事後、部屋から下半身を露わにしてお見送りした晴れ姿を写真週刊誌上でご披露した時でした。
 
が、この時、何故藤十郎さまが男を上げたのかと申しますと、年甲斐もなく、或いは齢には思えぬ程の肉交の回数をホテルの部屋で数えたからではございません。世間が写真週刊誌の藤十郎さまの「下半身露出のお姿」で騒然とする中、妻の扇千景さまは慌てず騒がず「芸人にとっては色事も修業のうち」とアッパレ山内一豊の妻を演じられたからでございます。
 
世間そのことでこうした「浮気発覚」のスキャンダルの中でも、泰然自若として揺るぎなく、夫を守り夫に従う扇千景さまのお姿を通して、坂田藤十郎という希代の歌舞伎役者の「存在感」の重さを改めて確認したのでございます。
 
人は失うことで初めてその人がいかに大事な人物であったかを知ることになるのですが、逝かれた坂田藤十郎さまの芸と人間の魅力に、扇千景さまともども、惜しみなく拍手をおくるのでございます。
 
藤十郎さまの芸や色事においての破天荒の深さは、まさしく芸術家が一様に持つ「価値の紊乱者」のものでございますが、手前どもの世代にとっての「価値の紊乱者」として知られるのは「太陽の季節」で世に出た石原慎太郎さまでございます。
 
芥川賞を受賞したその小説は賛否両論が巻き起こり、文壇を二分し、社会現象まで巻き起こしたのでした。
 
問題となったのは次のシーンでした。
 
「風呂から出て体いっぱいに水を浴びながら竜哉は、この時はじめて英子に対する心を決めた。裸の上半身にタオルをかけ、離れに上がると彼は障子の外から声をかけた。「英子さん」部屋の英子がこちらを向いた気配に、彼は勃起した陰茎を外から障子に突き立てた。
 
障子は乾いた音を立てて破れ、それを見た英子は読んでいた本を力一杯障子にぶつけたのだ。本は見事、的に当たって畳に落ちた。その瞬間、竜哉は体中が引き締まるような快感を感じた。彼は今、リングで感じるあのギラギラした、抵抗される人間の喜びを味わったのだ」
 
こうした、当時問題となった部分を書きうつしていても、いったいどこがいけないのかと、まったく見当がつきませんが、芥川賞受賞が発表となった昭和31年1月23日以降、この小説は日本中で評判となり、社会現象とまでなったのでした。
 
現代の私たちから見れば、問題となった「障子破りのシーン」なども可愛く思えるのでございます。
 
今日では顔面シャワーはおろか、潮吹き、イラマチオ、ア〇ルSEXから顔面シャワーのシーンがあってようやく一定の「エロティシズム」としての評価を、小説もAVもされるのでございますが、64年前の日本では「ペ〇スで障子破り」で日本中が度肝を抜かれたのでございます。
 
「エロティシズム」の定義とは、社会の変容と共に変わる証左といえるものですが、当時の日本社会ではこの小説の持つ意義について喧々諤々の論争が続いたのでした。
 
肯定派の一人、作家の舟橋聖一氏は「私は若い石原が世間を恐れず、素直に生き生きと”快楽”に対決し、その実感を容赦なく描き上げた肯定的積極感が好きだ」と絶賛しました。
 
一方において、作家の佐藤春夫さまは「この作品の鋭敏な時代感覚もジャーナリストや興行者の域を出ず、決して文学者のものではないと思ったし、またこの作品から作者の美的節度の欠如を見て最も嫌悪を禁じ得なかった。これでもかと厚かましく押し付け説く作者の態度を卑しいと思ったものである」と批判したのでした。
 
また、約半年後に公開された「太陽の季節」は原作の「障子に突き立てるシーン」がどの様に描かれるかに人々の関心が集まりセンセーションを巻き起こし、映画館の前には長い行列ができました。
 
その行列に並ぶ人たちに向かい、どこぞの婦人会やPTAの、タスキをかけたご婦人がメガホン片手に「お若い皆さん、こんな不良映画を観るのはやめましょう」と呼びかける姿が大きくニュースに取り上げられたのです。
 
一昔前に繰り広げられたAV反対運動や、コンビニからエロ雑誌を排除する運動、近頃ではAV強要問題での過激な反対運動を想起させるのでございますが、いつの時代にもウンコに喰らいつくハエのような、他人のフンドシでしか相撲を取れない輩がいるのでした。
 
手前どもが今日まで…
 
 

 

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